SONY VAIO Note PCG-N505AS にFreeBSD3.5 をインストール

【 ノートPCへのインストールの概略 】
 インストールしたノートPC: SONY VAIO PCG-N505AS
 FreeBSD バージョン   : FreeBSD 3.5.1 Release
 インストーラー    : FreeBSD PAO版
 インストールの方法   : DOS領域からのインストール
 ネットワークカード   : Lynksys Combo PCMCIA Etheret Card(EC2T)

【 ノートPCの特殊性 】
 vaioに限らず、ノートPCは通常デスクトップ・タイプの DOS/V マシンとして動作します。
ただし、ノートPCの場合は、ハードウェアの構成やしくみが、メーカーや製品により異なります。
ノートPCを小型・軽量・省電力化するために、ありとあらゆる方法を駆使しているのです。
その結果、ユーザーレベルでは、使い勝手が同じだがハードウェア構成やハードウェアはまちまちなのです。
この時点で、各社ノートPCに FreeBSD をインストール可能かどうかは、やってみなければわかりません。
もちろん、FreeBSD がインストールできなかったとしても、それはメーカー・サポート外のことですから、自己責任において現実を受入れるしかありません。

 また、ノートPCではノートPCの本体に、PCMCIA や PC-Card の外部接続の周辺機器することにより、デスクトップPCにない機能性を発揮します。これらが使えなければ、モバイルのメリットも半減してしまいます。
 デスクトップPCで、Windows98 を使っているユーザーには意外かもしれませんが、このノートPCの特殊性を克服して、FreeBSD をインストールして利用すために、PAOという配布物(Distributions)が、多くの優秀な先人たちによって開発・更新されてきました。

【 PAOから FreeBSD 4.X へ 】
  PAOは、ノートユーザーの多い日本の特殊性からか、日本人チームによって開発が続けられてきました。
ノートPCのために用意されているインストーラーが「PAO」なのです。
FreeBSD 4.X からは、PAOは正規のインストーラーとしても採用されるようになりました。
正規の「FreeBSD4.X のCD-ROM」には、PAOが含まれています。
地道な開発チームのおかげで、むずかしかったノートPCへのインストールがいとも簡単になりました。
作ってくれた皆さんに感謝して使いましょう!

 ここでは、PAOを使ったノートPCへの FreeBSD のインストールの手順を説明します。

【 PAOを使う 】
 FreeBSD のインストールには、ブートFDが必要です。
このインストーラーには、次の3種類があります。
 @ PCカードをほとんど使用しない GENERIC 版
 A PCカードをサポートした PCCARD 版
 B PCCARD 版よりも多くのPCカードをサポートしたPAO版
 ノートPCへのインストールには、PAO版を使用するのが一般的です。
PAO版ブートFDは、FreeBSD のサイトからダウンロードして作成します。
(kern.flp と mfsroot.flp です)

 ここでは、SONYのノートPC PCG-N505AS に、FreeBSD3.5.1 Release をインストールした手順を説明します。FreeBSD のインストールには、ノートPCのために用意されているインストーラー「PAO」を使ってのインストール手順です。
また、PAOはのインストーラーは日本語メニューも選べます。超初心者にはおすすめです!
 

【 DOS領域からのインストールの手順 】
 インストールの方法としては、DOS領域(Windows98)にコピーしたCD−ROMからのインストールをしました。この方法を選択した理由は、いろいろ試行錯誤の末に、ネットワークやCD-ROMドライブからのインストールが不能だとわかったからです。
 通常のインストールのように、CD−ROMやネットワーク経由でのインストールができない場合は、必然的にHDD上のDOS領域にコピーしたCD−ROMの内容を、読み込ませることになります。
 
 
ハードディスク領域の割当て
 C: Windows98SE の領域 (8GB)             (D: ) FreeBSD 領域 (4GB)
1、FreeBSDのPAOの最新情報を入手する
 FreeBSD の日本語サイトの次のURLから PAOの最新情報を入手する

  URL: http://www.jp.freebsd.org/PAO/index-j.html

 このサイトに、PAOに関する情報が集約されているので必読です。

 PAOは、通常のFreeBSDのリリースごとに、ノートPC環境で FreeBSD
 を手軽にインストールできるように作成されたインストーラーです。
 有志のボランティアによって作成された作品でもあります。

2、インストールの準備
  インストールするFreeBSD3.5.1 Relase は、市販されている BSDiのCD-ROMを
 使います。そのまま通常のインストール手順を実行すると、デスクトップ環境に合わせた
 FreeBSD がインストールされます。
  ノートPCに必須の PC-Card、PCMCIA のカードを有効に利用するためには、FreeBSD
  のソースにこのPAOの配布物のパッチを当てることで可能になります。
 作ってくれたエンジニアの方々に感謝して使ってください。

 上記のURLの次の項目から、PAOの配布物(Distributions)をダウンロードします。

 -------
 PAO な FreeBSD インストールフロッピー
 3.5-RELEASE ・・・ announce-jp 490 ・・・
      ・・・ paodist.tar (based on PAO3-20000710.tar.gz)     @
      ・・・ README on
  ftp://daemon.jp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD-jp/PAO/flp/3.5-RELEASE/.  A
 -------
   ダウンロードするもの
  ・ FreeBSD のPAO版インストーラー kern.flp , mfsroot.flp
  ・ 上記の Distributions @ paodist.tar または PAO3-20000710.tar.gz
 README もダウンロードして、よく読んでください
 ドキュメントの announce-jp 490 には、情報の入手先が紹介されています。
3、FreeBSD の1枚目CD-ROMを、HDDに丸ごとコピー
 c:\+----
    +
    + FreeBSD\ ----     <--- ここにコピーする
 ここでは、Cドライブに c:\FreeBSD\ というディレクトリを作成し、CD-ROM#1
 の全ファイルをコピーしました。
4、インストール用起動ディスク作成 (Windows98での作業)
 @ 上記の PAOを配布するサイトから、FreeBSD のリリースに適合した
    インストーラーのFDイメージをダウンロードします。
  kern.flp と mfsroot.flp
 A フォーマット済みのFDに上記のFDイメージを書き込み、起動ディスクを作成
    する。この作業は、「DOSプロンプト」で実行する。
 

  C:\> c:\FreeBSD\tools\fdimage kern.flp a:

  C:\> c:\FreeBSD\tools\fdimage mfsroot.flp a:
 

5、PAOディストリビューションをCD-ROM領域に用意する
 ダウンロードした paodist.tar をコピーしたCD−ROM領域に展開する。
 解凍・展開の tar コマンドは、CD-ROM の \tools\tar を使って実行する。
 解凍するディレクトリは、CD-ROM の直下の領域です.
 
c:\FreeBSD> utils\tar xvf PAO3-20001021.tar.gz
   c:\FreeBSD のディレクトリに、"Paobin"と"Paodist" が展開されます。
 DOS版 tar コマンドがうまくいかない場合は、
  ftp://daemon.jp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD-jp/PAO/flp/3.5-RELEASE/.
 から paodist と paosrc の展開済みディレクトリをダウンロードして使いましょう。

 これで、、[インストール・メニュー] の選択項目の最後に [Distributions] の項目が
 追加され、PAO Distributions をインストール可能になります。
  実際の PAO Distributions のインストール作業は、OSのインストール以降でも、こ
 の手順でできます。作業にてこずっている場合は、後回しにしても問題ありません。

 ※ PAO Distributions をインストールしても、rc.conf やカーネルの準備が終るまでは
    ノートの PC-Card の環境は使えません。

6、FreeBSDのインストール
  通常の手順にしたがって、FreeBSD 3.5.1 Release をインストールします。

   **** FreeBSD のインストール手順は、省略します ****

【 HDDのパーティション割当て 】

 DOS領域:7648MB
 /     : 800MB
 /usr   :1600MB
 /var   : 530MB
 swap   : 262MB
 上記の領域の容量は、Label の設定時の容量の表記です。
 DOS領域からのインストールですが、「DOS領域」にMount Point を設定しなくて
 も、自動的にさがして読み込んでくれます。


    ノートPCへのインストール作業の注意点だけ述べておきます。

 @ とにかくOSの FreeBSD だけインストールすることを優先する。
    ノート仕様の細部の設定や X-Window は、インストール後にできる。
     packages や ports のインストールは後にします

 A 最初は、Kernel Developper だけインストールして、HDD領域の消費具合を知り、
    インストール後に X-Window インストールしましょう。

 B インストールのための設定作業が終り、最後に読み込み先を「DOS領域」に設定
    するとインストールが開始される。
      DOS領域は、「LABEL設定」で Mount Point を設定しなくても、自動的に捜して
    読み込んでくれるので心配はいりません。

 C [インストール・メニュー] ->[Distributions] の選択項目の最後に追加された
    PAO Distributions をインストールしてください。
    実際の PAO Distributions のインストール作業は、OSのインストール以降でも、こ
    の手順でできます。作業にてこずっている場合は、後回しにしても問題ありません。

 D PAO Distributions をインストールしても、rc.conf やカーネルの準備が終るまでは
    ノートの PC-Card の環境は使えません。

  【 VAIO PCG-N505AS での注意点 】
  PCG-N505AS では、起動時はノートのBIOSによって、FDまたはCD−ROMが接
 続されている場合は、優先的にBIOSがそちらからブートしてくれます。
  これは、FreeBSD がデバイスとしてFDまたはCD−ROMを認識してくれたのでは
 ありません!
  インストーラーの起動時に出る「デバイスを認識するのに時間がかかる場合が・・・」
 というメッセージは、PC-Card デバイスではなく、一般 DOS/V 機器の認識をしているだ
 けなのです。いざ、Comit で、CD-ROM からの転送時に「CD-ROMが認識されない・・・」
 というエラーメッセージが出るのはこのためです。

  インストール時に、パーフェクトにFreeBSD のノート版をインストールしようとせず、
 まず、一般的な DOS/V 仕様でインストールしてしまい、その後でノート版にカスタマイズ
 する方法が、結果的に良いと思います。


7、インストール作業の確認

 FreeBSD のインストール終了後、正常に起動できることと、次の事項を確認してください。

 @ 起動されているデフォルトのカーネルを知る

    # uname -a
    FreeBSD 3.5.1-RELEASE FreeBSD 5.5.1-RELEASE #0: Thu jul 20 03:22:42 GMT 2000
      jkh@monster.osd.bsdi.com:/usr/src/sys/compile/GENERIC i386

     上記の表示では、このノートPCが GENERIC カーネルで起動されていることがわ
     かります。この状態では、ノートPCの PC-Card が使用できませんが、インストー
     ルは無事に終了していることがわかりました。

  ノートPCのカーネルとして次のものでなければ、PC-Card は使えません。

  Kernel.PAO
  kernel.PCCARD
 A 用意されているかカーネルを調べる
  # cd /
  # ls
  .cshrc  compat  kernel  modules  sys
  .profile dev  kernel.GENERIC proc  tmp
  COPYRIGHT dist  kernel.PAO root  usr
  bin  etc  lkm  sbin  var
  boot  home  mnt  stand

   上記の結果から、kernel.PAO を kernel にコピーすればよいことがわかった。
  ( kernel と kernel.GENERIC は、ファイルサイズが同じです。)

8、PAOのカーネルにスイッチする
 ここでは、通常のFreeBSDのインストールが終了したものとして、説明を進めます。

 @ kernel.PAO を kernel にコピーする

  # install -c -m 555 -o root -g wheel -fschg /kernel.PAO /kernel

    リブートして、新カーネルがPAO版であることを確認しましょう。
    リブート後、カーネルをしらべる

  # uname -a
  FreeBSD 3.5-RELEASE FreeBSD 3.5-RELEASE #0: Wed Jul 12 19:25:27 JST 2000
  toshi@spirits.el-hazard.org:/a/PAO3/src/sys/compile/PAO_ALL 1386

    上記の場合は、PAO_ALL というPAO用 CONFIG File から生成されたカーネルである
    ことがわかりました。

    リブート後に、PC-Card をスロットに差して認識されるか確認しましょう!
    ( Linksys 製ネットワークカードでテストしたところ、正常に認識されました。)

 ※ PC-Card が認識されない場合は、PAOでサポートされていない場合も考えられます。
    /etc/pccard.conf に、カードが登録されているか確認してみましょう。

9、PAOのカード認識をしらべる
 PAOのノート環境の機能拡張を確認するには、APM の電源管理と、PC-Card 認識を正常
 にできるかでチェックできる。

 @ ネットワークカードの認識を確認

    Lynksys Combo PCMCIA Etheret Card(EC2T) を vaio に差して起動すると、最後の方で PC-Card が認識された 〜♪
 A 外付けCD-ROMを確認
   「外付けFDD」はUSB接続なので、すんなり FreeBSD に認識されないが、
   「外付けCD-ROM」は、ATAPI の PC-Card による接続なので、とりあえず接続して
    認識されるかテストした。
     外付けCD-ROMを接続して、vaioを起動すると正常に認識された。
  -----
  vaio pccardd[58]: Card [0x0] [0x0] " "("NinjaATA-") [V1.0][AP00]
  Jul 15 09:41:03 vaio pccardd[58]: matched ""("NinjaATA-")[null)][(null)]
  -----
  login:
  card0: assign wdc1 iobase 0x180 irq3 maddr 0x00d400 msize 0x4000
  wdc1: unit 0(atapi): <UJDB11011.43>,removable, accel, dma, iordy
  acd0: drive speed 2416KB/sec, 128KB cache
  acd0: supported read type: CD-DA
  acd0: Audio: play, 16 volume levels
  acd0: Mechanism: ejectable tray
  acd0: Medium: no/blank disc inside, unlocked
  Jul 15 09:41:06 vaio pccardd[58]: pccardd started
  vaio の「外付けCD-ROM」は、Ninja の製品をOEMで使っているようだ?
9、インストール後の設定
 @ ホストの設定をする
  /etc/rc.conf にviエディターで直接書き込む方法を説明します。

  ・ ノートの電源管理機能 apm を設定する
  ・ 日本語106 キーボード の Keymap を設定する
  ・ カーソルをカスタマイズする
  ・ PC-Card の設定項目を設定する

  /etc/inetd.conf の設定 : r系デーモンをコメントアウトする

  /etc/hosts.deny の設定 :ALL:ALL

  /etc/


 A カーネルの再構築

  PAOのためのカーネル用 CONFIG ファイルは、PAO_ALL です。

   /usr/src/sys/i386/conf/PAO_ALL

  この PAO_ALL をコピーして、カーネルを再構築します。
  PAO_ALL が見つからない場合は、/stand/sysinstall のメニューで、

   [CUSTUM] -> [Distributions] -> [PAISRC]

  が正常にインストールされなかったためで、再度インストールします。

【 使用した機器など 】

 ノートPC   : SONY VAIO PCG-N505AS
 ネットワークカード: Lynksys Combo PCMCIA Etheret Card(EC2T)


参考文献

 UNIX Mabazine 2000年4月号
   特集「ThinkPad 570 で FreeBSD」

 FreeBSD Express MYCOM Mook
   特集 「FreeBSD 4.1-RELEASE & 3.5-RELEASE」




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